シルクスクリーンについて
弊社は、シルクスクリーンを生業としております。 よくあるご質問にお答えする意味で、ここでシルクの概要を簡単にご説明します。 シルク印刷と言いますのは、水と空気以外は何にでも印刷が可能とされています。 ですので、一概にシルクと言いましても多岐にわたりますが。その中で衣料に関しての分野でのお話です。
- シルクは、インクジェット等と違い、始に版を作ります。いわゆる製版代というものが、最初に発生致します。
- その後、プリントしたい商品を、糊張りした台に張り込んで、1枚ずつ版をあてて、ゴム製のスキージという物で刷り込みます。
- 刷り上りましたら、現物に遠赤外線をあてて、充分に乾燥させて、完成です。 作業の手順としましては、こんなところですが、もう少しだけ詳しく補足致します。
(1)製版に付きまして
通常のTシャツ等にプリントする場合は、水性のラバーインクが主体となりますので、 それに対応するメッシュ(80~120)を、使用して刷りの位置に合わせて焼きこみます。(感光材に紫外線照射) よくあるお問い合わせの中で、Tシャツとトートバックを同じ絵柄でプリントして欲しいとのご希望がありますが、 シャツへのプリントの場合、裾から糊張りした台に張り込んで作業致しますが、トートバックは、口の部分から、 糊張りした台にはめ込みますので、絵柄が上下反対になる為同じ版が使えない場合が多いです。 その他、Tシャツとウインドブレーカーで同じ絵柄という場合も、使用するインクが、水性、油性と異なりますので同様です。
(2)実際の作業に付きまして
説明が重なりますが、糊張りした印刷台に張り込んで行ないます。 又、プリント箇所が袖、ポケット、パンツの脇、裾等その箇所に合わせた糊張りした台に張り込みます。 張り込みが完了したら、実際に作業していくのですが、ラバーインクの場合1度刷りでは、隠蔽力が弱い為ある程度、 乾燥させて、同じ様にもう一度重ね刷りします。3回、4回という場合も稀にありますが、刷り面が厚くなってきますので、 余りお勧めではありません(仕上がりは、バッチリではありますが)。浸み込みインクでという、ご希望もありますが、 その場合は、ラバーとは逆で、レジューサータイプのバインダーを使用します。その場合は、力を入れて生地に刷り込みます。 バインダーの特性上、仕上がりの風合いが柔らかく、インクの隠蔽はありませんが、古着の様な感覚、仕上がりになります。
(3)プリント終了後の作業
(3)プリント終了後は、遠赤外線をあてて充分に乾燥させますが、ラバー、レジューサーの場合は自然乾燥でも大丈夫です。
ポリエステルの場合は、本来遠赤外線で充分な熱処理が必要ですが、ポリ素材に白プリントした場合、生地色が赤、バーガンディ ネイビー等の時、昇華現象と言いまして、生地に含まれている赤系の染料がインクを透過して上がってくる為に白色が、 薄いピンクに変色したりする場合があります。
これを防ぐ方法はありますが、若干の費用が発生致します。 弊社では、昇華するギリギリのところまで、熱処理をする様にしています。(洗濯の後のアイロン、ドライヤーは厳禁です)
昇華現象についてはこちらのページも参考にしてください。
以上がおおまかな手順、工程です。
「自分で作るTシャツプリント」のページも参考にしてください。
ごく、簡単な補足説明ではありますが、ご理解頂けましたでしょうか。
趣味で、あるいは将来に向けて独立開業したい。等等どんな質問でもご相談でも構いませんので、 何かありましたら、ご連絡ください。私事ですが、この業界、今年で42年になります。
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